そうして勝手に帰ってくるのかい それを少しずつ出しては、人の前で胡坐をかいて呑みたいだろうと云わないばかりに、すぱすぱふかすのだね。 死ぬか生きるかと云う場合だ。 巾着はとにかくだが、じいさんが障子をあけると二日間の溜め呑みをやった煙草の煙りがむっとするほど室のなかに籠ってるじゃないか、悪事千里とはよく云ったものだね。 いえ、買ったのです 何だか君の話は物足りないような気がする よくよく聞いて見たら、実は百年前に死んだのだが、ふとした好奇心からわざと幽霊になって吾輩を驚かせるために、遠い冥土から出張したのだそうだ。 減れば来なくなる。 寒月君は笑いながらまた進行する。 いいだろう。 九時だよ。 寒月君は出てくれるでしょうね。 狐でもいる所かいと東風君がきいた。 人間に文明の角が生えて、金米糖のようにいらいらするからさと迷亭君が答える。