あんな作品はあんな個性のある人でなければ読んで面白くないんだから仕方がない。 人間の性質が碁石の運命で推知する事が出来るものとすれば、人間とは天空海濶の世界を、我からと縮めて、己れの立つ両足以外には、どうあっても踏み出せぬように、小刀細工で自分の領分に縄張りをするのが好きなんだと断言せざるを得ない。 吾々を慰藉し、吾々を完全にし、吾々を幸福にするのは全く両者の御蔭であります。 へえ、そんな苦しい思いをなさるより貰ったらいいでしょう 飲むから癒るのか、癒るのに飲むのか、今まで疑問であったがちょうどいい幸だ。 仕方がないから後足で飛び上っておいて、前足で掻いたら、がりりと音がしてわずかに手応があった。 そんな仙骨を相手にしちゃ少々骨が折れ過ぎる。 真理に徹底しないものは、とかく眼前の現象世界に束縛せられて泡沫の夢幻を永久の事実と認定したがるものだから、少し飛び離れた事を云うと、すぐ冗談にしてしまう そいつはおめでたい話だ。 君シャンパンを飲んだ事がありますか。 天才は昔から迫害を加えられるものだからねと東風君は大に同情を表した。 金はなかばってんが、今にどうかなるたい。 迷亭君、君の碁は乱暴だよ。 うまかったかいと主人は小供みたような事を聞く。