このくらい公然と矛盾をして平気でいられれば愛嬌になる。 それはない。 そう、よく知ってる事 滔々たる流俗に抗する万古不磨の穴の集合体であって、大に吾人の尊敬に値する凸凹と云って宜しい。 いかに空漠なる主人でもこの三令嬢が女であるくらいは心得ている。 やあ、来たねと雪江さんに挨拶しながら、例の有名なる長火鉢の傍へ、ぽかりと手に携えた徳利様のものを抛り出した。 金田って向横丁にいる女です 何だ騒々しい。 いかに白昼といえども、主人のようにかく一生懸命に見つめている以上は自分で自分の顔が怖くなるに相違ない。 この発明におやと驚ろいた妻君はそれじゃ、みんなでおとなしく御遊びなさいと平生の通り針箱を出して仕事に取りかかる。 この間しめ出しを食った時なぞは野良犬の襲撃を蒙って、すでに危うく見えたところを、ようやくの事で物置の家根へかけ上って、終夜顫えつづけた事さえある。 とある。 鼠の毒が総身にまわると大変だ、君どうかしてくれと責めるには閉口したね。 なに妙な事があるものか。