PI24 オーガニック シードル ブルターニュ（泡）×12本

かようにいろいろな人がいろいろの事を考え出したが、まだ誰も成功しない。 小供は大福を踏み付けたような爺さんを見て大変だと思ったか、わーっと悲鳴を揚げてなき出す。 よし主人が小供をつらまえて愚図愚図理窟を捏ね廻したって、落雲館の名誉には関係しない、こんなものを大人気もなく相手にする主人の恥辱になるばかりだ。 あの戸の潜りの所を四角に切り破っての。 それほど裸体がいいものなら娘を裸体にして、ついでに自分も裸になって上野公園を散歩でもするがいい、できない？　出来ないのではない、西洋人がやらないから、自分もやらないのだろう。 しかも珍客が来た。 入れ代って飛び込んで来たのは普通一般の化物とは違って背中に模様画をほり付けている。 吾輩は別に伝兵衛に恨もないから彼の悪口をこのくらいにして、本題に戻ってこの空地が騒動の種であると云う珍譚を紹介仕るが、決して主人にいってはいけない。 迷亭の美学者たるに対して、吾輩はこの男を哲学者と呼ぶつもりである。 仕方がないと云えばそれまでだが、そう頑固にしていないでもよかろう。 その人の説によるとこれで成功しなければ葡萄酒の湯をわかして這入れば一返で功能があると信じ切っている。 平等はいくらはだかになったって得られるものではない。 吾輩の取るのはこの蟻の領分に寝転んでいる奴ではない。 この睹易き結果を予想せんで、あくまでも敵と戦闘を継続しようと苦心するのは、ただ本人たる苦沙弥先生のみである。